「悪いな、わざわざ。今朝急に決まった事だし、メールだとややこしいからな」

西園寺くんの声だ。

「いや、少し前から準備はしていた。早いうちに始められるならそれがいい」

「それはお互い様だな」

羽村さんの言葉に、嘉川くんが返事する。

「メールでも知らせたけど、向こうの頭と明日会う事になった」

やっぱり明日なんだ。

「俺とコイツ以外は私服で紛れて待機、そっちもそんな感じで宜しく」

「それはいいが、合図か何かあるんだろうな?」

「それは、コレ」

西園寺くんが羽村さんに何かを見せた。

「ガキ用の携帯?」

「短縮1番にアンタの番号が入ってる。それで携帯を鳴らすから、それが合図だ」

「確かに、それなら片手で操作出来るか」

「それから……」



西園寺くん達はしばらくの間、念入りに打ち合わせをしていた。