「……亜依か、やっぱな」

「あの人なの?……西園寺くんを振った人って」

私の言葉に、嘉川くんがちょっと驚いた顔をする。

「寺島ちゃん、それどこで……」

「あ、それは……陽二さ―――蘭高の人から聞いて」

「何て聞いたの?」

私は昨日の記憶をたどりながら話す。

「えっと、アイさんが獅龍って人達の頭と付き合ってたっていうのと、西園寺くん達とは中学が同じって事を」

「そっか。そういや寺島ちゃんには玲の過去の話したっけな」

「うん」

「……けど、そうだとして寺島ちゃんはどうする気なんだ?」

「え……?」

嘉川くんに指摘されて、私は思わず考え込む。

知りたかったのは確かだけど、その後どうするかまでは考えてなかった。