校門を出て歩き出した私の目に、見知った後ろ姿が映る。


―――西園寺くん。


少しクセのある黒髪、スラッと高い身長。
カバンの持ち方まで、見間違える事のない姿。


彼は誰かと話している。

その相手を見て、私は思わず息を呑んでしまう。



「ちょっと!西園寺くんと一緒にいる人、すっごい美人!」

一緒に歩いている子達も2人を見つけて驚いてるみたいだ。

それもそうだよね。

細くて長い手足に、綺麗な長い黒髪。
笑いかける横顔はとても綺麗で、大人の女性って感じがした。

近所の公立高の制服だけど、多分年上だと思う。

2人はとても親しげで、並んでいて違和感がない。