「明日からは、別々に行動しようぜ」

「―――えっ?」

私は、今聞いた言葉が信じられなくて聞き返してしまう。

別々に、行動?


「明日から、送り迎えはもうしない。特に、校外では俺に近付くな」

「西園寺くん……?」

私は訳が分からなくて、ただ彼の真意を探る様に顔を見る。

けれど合ったと思った目はすぐにそらされた。


「……じゃあな」

「西園寺くん!」

呼び止める様に呼んでも、西園寺くんは振り返らなかった。


どんどん遠ざかる背中。

最後に見た厳しい表情。


ぐらぐらと揺れて、視界が定まらない。

突然の出来事に、私は動揺を隠せなかった。