聞いた話によると、西園寺くん達の仲間は中学の時の友達で出来ているらしく、うちの学校と近くの公立高との子達で構成されているそうだ。
対して『獅龍迅来』は、学校を問わず集まるグループで、最近徐々にテリトリーを広げてきているらしい。
そして、それとはまた別に蘭海高校の単独グループが存在しているとの事だった。
「今までは俺らと蘭高が主に対立してたんだが、獅龍のヤツらも出てくると厄介だな」
私は全く状況が飲み込めなくて、黙って隣を歩く。
「……悪いな、寺島」
「―――えっ?」
急に謝られて、私は目を瞬かせる。
「巻き込むつもりは無かったが、結果的に巻き込んじまった」