「……」

背後から、ものすごいオーラを感じる。

振り向くのが怖い。

「―――寺島」

「な、何?―――う」

恐る恐る振り向く私は、明らかに機嫌の悪い西園寺くんの目に射竦められた。

「何でアイツに名前呼びされてんだよ」

「き、気が付いたらそうなってて……」

「……」

どうしてそんな事で責められてるんだろう、私……。

困った様に上目使いで見ると、西園寺くんは短く息を吐いてそっぽを向いた。





「しかし、『獅龍迅来』のヤツらが来るとはな」

私の家までの道程の途中、西園寺くんが呟く。

「さっきの人達の事?」

「ああ、実は昨日俺らの仲間内でその話が出たばかりなんだ」