「早く来いよ、寺島」
「ま、待ってよっ」
先に歩く西園寺くんに私が追いつこうとしたその時、
「西園寺みーっけ」
西園寺くんの目前に私服の男子が立ちはだかった。
「へーコイツが西園寺?」
その声につられる様に5人の男子もこちらに集まってくる。
彼らはたくさん付けたピアスをいじったり、ずらしたGパンのポケットに手を入れてニヤニヤとこちらを見ていた。
「―――んだよ、お前ら」
西園寺くんが睨みを効かす。
ただならぬ雰囲気に、私は西園寺くんの後ろに立ったまま動けなくなってしまう。
「俺ら?獅龍迅来(しりゅうじんらい)だけどー」
「獅龍だあ?んなヤツらが何の用だ」