「ふーん?」
ここで、西園寺くんは得意げにニヤリと笑って見せた。
「お前がそこまで言うなら信じてやるよ」
そう言って、上機嫌で歩き始める。
うう。
これはもしかして、ワザと言わされた?
私がそう答えるのを予想してたんだ。
「……鬼」
「ん?何か言ったか?」
「ううん、何でもない!」
思わず呟いちゃったけれど、バレたらまた何言わされるか分からない。
私は必死で首を左右に振ってごまかした。
一瞬、西園寺くんが怒ったのは過去の事を思い出したからなんだと思ったんだけど。
やっぱり私がからかわれただけなのかも。
そんな事を考えながら、私は西園寺くんに追いつくべく小走りになった。