次の日の放課後に、陽二さんは現れなかった。
私は少しホッとしながら西園寺くんと並んで歩く。
多分、2人が顔を合わせたら大変な事になりそうだから。
「―――なぁ」
不意に、それまで黙っていた西園寺くんが口を開く。
最近分かってきた事だけど、西園寺くんは私と2人だけの時は物静かだ。
「寺島、昨日……蘭高のヤツといたってのはホントか?」
「―――えっ」
私はギクリとして、思わず西園寺くんの顔を見たまま固まってしまう。
「まさかと思ったが……。何でだ?」
西園寺くんの目が、ちょっと怒ってるように見える。
いつもとは違う怖さを感じた。