―――私は、彼が怖い。


乱暴で、ワガママで、いつも好き勝手している彼が。

だから、いつもは関わらない様に避けていたのに……。


関わってしまった。

それが、私の日常を変えてしまう事になるなんて―――。





「遥ちゃん、戸締まり宜しくね!」

「はい。先輩方、お疲れ様でした」


部室が、がらんと静かになる。

私は室内に忘れ物がないか確認した後、部室の扉に鍵をかけた。