「あ、そうだ。
お前今日学校来てたんだな。」

“珍しい”といわんばかりの顔つきで優輝が言った。

「いつも寝坊してるもんな。」

そう俺が言うと、蓮が言い返してきた。

「寝坊だなんて失礼な。
ちゃんと朝起きてますってば。
ただ学校が終わる時間までに目が覚めないだけで…」

「いや、それ充分寝坊だから。」

俺がすかさずつっこむと、優輝が笑い出した。

「流石、お笑いコンビって呼ばれてるだけはあるな…ククッ」

「その呼び名で言うな!!
それと小さく笑うな!!!」

半ばキレ気味で俺は言ったのだが、この2人にそんな物は通用しない。

「つっこみのキレの良さは今日も健在だな。」

「ちょっとお前黙ってろよ!!」

「まあまあ、落ち着けって。」

いつも通り、健斗が仲裁に入る。

「これが落ち着いてられっかよ…
って健斗!?!?」

「はい、健斗ですけど?」

「おまっ…いつの間に帰って…!?」

「あぁ、“いつも寝坊してるもんな。”
の辺りから。」

「かなり前じゃねぇかよ!!」

「うるさいなぁ…
ちょっと直人カリカリしすぎじゃない?
カルシウム足りてる??」

蓮が俺を睨みながら言う。

「誰のせいで足りてねぇと思う?」

「い、いやいや!!
直人、そんな怒んなって…な?」

健斗が俺をなだめようとした…が、
もう遅い。

「いや、コイツもう許さん。
とりあえず一発殴る、話はその後だ。」

その後、蓮の頭にこぶが出来たのは、言うまでも無い。