車であたしの自宅に向かった。



「送ってくれてありがとう。

今日は楽しかった。」



帰りの車で、りょうくんが

ずっと握っていてくれた手

を離そうとした。



「キャッ………」



その瞬間、

あたしはりょうくんに

抱きしめられた。



「ゆな…、俺、ゆなのこと

好きだよ。ずっと側にいて

ほしい。」



ドキドキした。

抱きしめられて、

耳元で囁かれた

その言葉。



「あっ…あたしも、

りょうのことが好き。」



答えは決まっていた。



「ゆな、おやすみ。」

「……………」



キスをして、車から降りた。



りょうの車がみえなくなって

も、あたしは動くことが

できなかった。



りょうの唇。

りょうの腕の中。

りょうの優しい声。



あたしはりょうで満たされた。



「チャラララ…♪」



携帯には1通のメール。



『本文:ゆな、愛してる。』