「ふふっ、あなた達二人は本当に真面目ねぇ、心が似ているのかしら――」
社長も私と同じ事を考えていた。なんだか嬉しくもあり、心の中を覗き見られた様で恥ずかしくもあった。万希子さんも顔を赤らめ、少し俯いている。
互いに恥ずかし合っている内に、問題はあっさりと解決した。
「この件は、私がプロデューサーに話をつけておいたから、舞さんも万希子も辞めなくていいわ」
「でも社長――」
「舞さん、もういいのよ。万希子を想っての事だもの――私は舞さんを支持するわ」
「本当に、これでいいのでしょうか――」
尚も、浮かない声で聞いた――。
「大切なのは、舞さんと皆の気持ちが一致したという事実。何よりも素晴らしい出来事だわ――物は修理したりお金で買えるけれど、人間どうしの関係や信頼は、お金では得られないもの――」
「――――」
「舞さんは万希子を守った。万希子も舞さんの想いに応え、皆も同じ想いで信頼し合い心で結ばれた――それは、愛がないと不可能なの。今のあなた達には愛が溢れている――私はあなた達を誇りに思うわ――」
心の奥底から絞り出し、喜びが滲んだ社長の言葉――。