美しく、私ごと包み込んでくれそうな、たおやかに輝く彼女――――。



いつまでも――。



いつまでも――。







「そうよ――――」




「そうよね――――」





天空の頂点にある満月は――輝く――――。



雪――「わたあめ」を舞い降らせながら――――。







「人間よ――――さようなら――――」





「せめて静かで――――穏やかな死を――――」






そう、妖しい言葉と微笑みを浮かべ、天頂に佇む――――。







この世界が終わるのを――――。







待ち望んでいるかの様に――――。







アイ·ドール


完――――