「行ってきます――マイマイっ――」
「やるよぉ――」
「やってやります――」
「やっちゃいます――」
「マイマイっ、愛してるっ――行くねっ――」
『よぉーし、行くよっ――』
「マイマイっ、皆に目にもの見せてやるよぉっ――イヒヤヘホィ――」
「舞さん、最後の公演、私の全力で行きます――私達を見ていて下さい――」
詩織が力強く語り、雪がはしゃぎ、流花が小躍り、葵の可愛らしい声で上塗りする――――キャロルアンが凛と言い、モカ、モコの愛らしいシンクロ――――。
アリスの小憎らしい挑発と奇声――――万希子さんのしとやかな決意と願い――――。
それぞれの想いが、ハイタッチを交わした手のひらから、温もりとなって私に伝わる――――。
「万希子さん――――」
「はい――」
「塩おむすび――――」
「はいっ――――」
私と万希子さんの間で、それ以上の会話は不要だった――。
「えっと、舞さん――――」
「万希子って呼んで下さい――――」
その時、私は本物の「快楽」を得て――――感じた――――。