『心配いらないわ。きっとできる――だって、あなたは私だもの――――』



~そう――自分を信じて~

「――――」

『――――』


~大丈夫よ――~




 私でも、もう一人の私でもない「誰か」が語りかけてきた――同じ女性の、大人の様でそうでもなく、かといって子供でもない澄んだ声――。


 懐かしくもあり、悲しくもある響き――。


 私も、もう一人の私も不思議と彼女の声に優しく包まれ、癒されて穏やかな水の流れに身も心も委ねている様な心地好さを感じている――。



「そうね――――」

『そうよね――――』



 私達の意思が一致する。


 ぼやけていた焦点は徐々に回復し、煌めきと煩雑と虚構が混在する世界が、瞳と意識に映し出される。


 対話を終えた私は、決断した言葉を紡いだ――。




「社長――私――やります――」


「よく、決心してくれたわね――」

 社長の瞳には、心の中から湧き上がってくる感情が滲んで見えた。可愛いとさえ感じるその表情に、私の心も熱くなってゆく――。

「ありがとう、舞さん――」


「彼女達をよろしくね――」


「はい――――」