「舞ちゃん――――礼子は怖いよ。いや、礼子の側の人間達も――と言った方がいいかな――」
「人間の敵は人間――」
「光があれば――影がある――」
「表があれば――裏がある――」
「白があれば――黒がある――」
「この意味、何となくわかるよね――――」
「斯くも人間は、強欲で往生際が悪く、嘘つきな存在だよね――――」
「直に舞ちゃんもわかってくるよ――――その時、舞ちゃんの想いは変わるのかな――――楽しみにしてるよ。舞ちゃんの決断を――――」
「本当に――――楽しみに――――」
私が、この文面に気づいたのは、一通り、「怖さ」を知った後だった――――。
第2部 エッセンス
完――――