第2陣としてエレベータを待つモカとモコが扉の前でシンクロし、アリスと雪が同調する――。



「いゃへほぃっっと」

 テンションが頂点に達したアリスが、扉が開いた瞬間に訳のわからない奇声を発し、モコ、モカ、雪とエレベータ内になだれ込む――――。




 ただ一人、まだ私とは距離のあるエレベータとの間で恥ずかしそうに、もじもじと躰を揺らす万希子さんがいる――。



「どうしたの――」



「あ、あのう舞さん――そ、その――――枕投げっ、楽しみですねっ――――」



 桃色の顔で、人生最大の決心を込めて可愛らしく言い、そして私に放たれた至高の笑顔――――。



 耐え切れず、駆け足で奇声を発し続ける四人の中へ入ってゆく万希子さん――――「余韻を楽しんで――」奇声を止めたアリスが、たおやかな笑みと眼で私に語り、扉を閉めた――――。






 殺されそうになった――――。


 万希子さんの仕草と笑顔に――――。




「んもぅ、万希子さん――そんな事言わないで――可愛い過ぎるわ――――」




「狡い――狡いわよ」


 躰が火照り、堪えていた涙が溢れた――――。


「アリスったら――」



 その場にしばらく立ち尽くした私は涙を流し続け、微笑み、美しく可愛い私のアイドール達の余韻に浸った――――。