幼き日の唯一の友人であり、理解者だった小さく、着飾った人形達――――。


 父や、存在すら知らない母でも聞いてくれなかった寂しさや悩み事を打ち明け、時に楽しい話し相手になってくれた物言わぬ彼女達――――。



 そう――ヴィーラヴは、彼女達の再来なのだ――。


 姿を変え、人間としての理性と感情――そして、無垢な魂を纏い、時を超えて私に逢いに来た人形達――――。


 偽人達の健気なアイドルであり続け、私の愛しい存在――――アイドール――私は何という美しい言葉をこの世界に放ったのだろう――。



 私と礼子さんは、たおやかな幸福感に包まれている――――。



 そして、私は決めた――――。



「私――彼女達を愛し、守ります――」



 これこそが、私の生きる道――他の誰でもなく、私にしか成し得ない道――。


 彼女達の正体を暴こうとしたり、ヴィーラヴの活動を邪魔する者を私は許さない――この存在を賭けて叩き潰す――――暴走と非難されようが構わない――。



「嬉しいわ――舞――」


 少し涙声で言う礼子さんの左手が熱を帯び、心が震えているのが伝わる――――。