幼少期から今まで、私が私自身を開放すると、何か悪い事が起き、周りの人間が不幸になってゆく――――覚えがない訳ではないが、全てが私自身に起因するものでもない。そんな、曖昧で確たる根拠もない思考と事象に私は囚われ続けていた。
でも、少女は救ってくれた――自分を罰して閉じ籠もる事などないと――。
綺麗な世界のみに見惚れずに、影の部分も受け入れなさいとも言っている。
私はようやく理解した。
二つの世界は相互し、私にも、誰にでも存在しているものだと――。
私一人だけが苦しみ続けているのではない。
車内は、光で照らされていた――――涙はもう、流れていない。
お別れね――――。
私の手を優しく、温かく包み、微笑む少女。
あなたはもう、大丈夫――――。
私も、あなたに逢えて嬉しかった――――もう、自分の心に嘘はつかない――。
強く、強く、少女の手を握った――。
眩しく、白い光を放つ終着点が目前に迫る。
少女は微笑み、私はその佇まいを忘れない様に、温もりを感じ、髪、指先、手、瞳、魂を、心に焼きつける――――。