夏に彼らは出会いました。

ありが働いていると、すぐ近くをきりぎりすが通りかかったのです。

きりぎりすは楽しそうに歌い、飛び跳ねていました。

それをみてありは言います。

「そんなに遊んでばかりではダメだ。立派な大人になれないよ。」

きりぎりすのためを思い、ありは必死に説教します。

しかしきりぎりすは聞く耳を持ちません。

「なんで君たちはそんなに重たい物を担いで、地面ばかり見ているんだい?空を見上げてごらん。こんなにもキレイじゃないか。」

一生懸命働くありを残して、きりぎりすはピョンピョン跳ねてどこかへ行ってしまいました。