「あれ、東京タワーだよな!?」

「……そうだけど」

「凄い!俺、こんな近くから初めて見た!ライトアップ凄え綺麗だなあ!」


きゃっきゃとはしゃぎ、嬉しそうな顔をしている千秋。
その言葉に、もうそんな時間になるのかと気づいた。

ビニール袋から買ってきたアルコールと食べ物を取り出す。

「千秋、何飲む」

「あ……、ごめん。俺ビール」

はしゃいでいた千秋は恥ずかしそうに戻ってきて、尚からビールを受け取った。
プルタブを開けると、ぷしゅっと何ともいい音がする。

「……」

「……」

「……じゃあ、とりあえず」


カツンと三人で缶の縁を当て、一気にビールを咽喉に流し込む。
誰も何も喋らない、この超気まずい空気。

「あ、そういえばチーズも買ったよね。ワインもコルク抜いちゃおっか!尚、栓抜き貸してー」

いらぬ気を使って、ポテトチップスやらポッキーやらをパーティ開けにしてローテーブルに並べた。