長く、艶のある髪を
右手でサラリとながす香夏子。


「ごめんね?」


冷静な彼女の表情を伺うように、
首を傾けながら顔を覗き込む。


「気にしてないよ・・・」


無表情のまま、香夏子の口だけがそう動いた。

決して笑ってはいなかったけど、
怒ってはいないようで安心する。

彼女の無の表情からそう読むのは
普通の人ではむつかしいかもしれない

まあ、幼馴染の勘ってやつ?


「あ、そういえば昨日のメールごめんねー」


やっぱり同じメール
何回もされたら嫌だよなぁ・・・

何気なく謝ろうと、
明るく話題を振ってみる。


「・・・・・・何が?」


・・・あれ?