誰か違う人でもいるのかな?
そう思い、というよりそうであれと願う。
少しだけ空いたブラウンの扉から、
部屋の中の様子を見てみる。
・・・残念なことに、いたのは都夜さん一人だけ。
都夜さんが、さっきと同じ黒の執事服に
腰にエプロンを巻いて、ティーポットに
茶葉をバサバサと入れていた。
綺麗な形のはずの唇を曲げながら、
1人ぶつぶつと文句を言いながら・・・
うそ、だよね?
優しくて、かっこよかった都夜さんが!
私の王子様が!!
しばらく何も考えらんなくなった。
ただただ立ち尽くし、皮肉なことに
それでも都夜さんの愚痴は耳に入って来た。