「あれ?どうして、私の名前・・・」
気がつけば彼女が自分の名前を呼んでいた。
「失礼ながら、生徒手帳を拝見させて頂きました。」
彼女の代わりに答えたのは執事の彼だった。
ニッコリと口角を上げ、彼は私に生徒手帳を差し出した。
ああ!もう何度でも見て下さいっ!!
その手帳を受け取りながら、心の中は薔薇色。
「そういえば、名を名乗っていませんでしたね。」
私が手帳を受け取ると同時に、
思い出したように彼女は言う。
「私は、大路利月乃( オオジリツキノ )
と申します」
にこり、と微笑みながら自己紹介をする彼女。
「そして、あちらが執事の都夜( トウヤ )」
彼女、月乃さんはそう言い終えると
「よろしくお願いします」とまた可愛く笑った。