「『今日も発見!』っと…」


そう独り言で呟きながら、あたしは
携帯に文字をぱちぱちと打ち込む。

[送信]のボタンを押し、顔を上げる。

視線の先にあるのは
自分の家の2倍以上はあるでっかい豪邸。

今いる普通の公園から道路を挟んで、
向い側にあるのにまるでそこだけ別世界。


 相変わらずでかいなあ…


遠目にも豪邸を見つめる。

そしてその豪邸の庭園にいる人物が
視界に入ればたちまち頬が染まる。


 やっぱかっこいい!!


自然と口は緩む…、
まあ、簡単にいえばニヤニヤした。

見つめるのは執事服を着た
同年代にみえる男の子。


私、春野雫の片思いの相手です。