私は目の前のライオンから逃げる方法を必死で頭の中で編み出していく。

が、7年の経験からして、
そんなのあるわけない。

どんどん近づく慧斗との距離。

唇が近づく直前で、
慧斗がピタッと止まった。


……?


私は首を傾げた。


「やば。」

「へ?」


何が?

慧斗は私の手に、
人気のブランドのショップ袋を渡した。


「なに……、」

「3分で着替えろ。」

「はッ?!」