「……泣いたな?」

「ッ!!」


私は慧斗から目をそらす。


「なんで泣いてた?」


“なんで”……?


「最低……。」

「は?」

「さいってー!!
最近全然会えないし、私だって寂しいって感情ぐらいあるんだよ?!
それに、今日の約束だって、
私がどれだけ待ったかわかる?!
12時間も待たされた私の気持ち……って、え?」


私は言葉を止めて時計とカレンダーを見た。


約束の時刻は、11:50。
慧斗が家に来た時刻は、23:50。
言い換えると、“午後”11:50。





……もしかして。