「慧斗……、」 「ん?」 「大好き。」 「愛実、珍しいな。」 「もうッ!!」 私は慧斗から離れようとする。 ……けど、 パシッ。 「離さねぇよ。一生。」 慧斗はそう言って、 私を再び腕の中に戻した。 「……あのときもそう言ってたね。」 一回目のプロポーズのとき……。 私はすでにはまっている左手の薬指の指輪に触れた。 「そうだっけ?」 「ん。」 私は頷きながら慧斗に体重を預ける。