「乗るぞ。」

「ちょっ……、」


慧斗は私の腕を引っ張ったままタクシーに乗り込む。


バタン。


「教会前まで。」


慧斗は行き先だけ告げると、
外を眺め始めた。

……教会?


「ねぇ、」

「ん?」

「教会に何があるの?」


私は気になっていたことを聞いてみた。

慧斗はニヤッと笑って、


「着いてからな。」


そう言った。