新しく来た先生を紹介していた教頭先生の声に応えて、前に出た人。




「…養護教員として就任しました、新任の名月京介(ナツキ キョウスケ)です。これからは僕が常に保健室にいます。 至らないところがたくさんあるとは思いますが、よろしくお願いします。」


当り障りのない挨拶。

なのに、この人が…名月先生が言うと、そんな言葉たちがキラキラ輝いているように感じた。




完璧なルックス、低い声。黒くて少し長い髪の毛。

新しいパリっとしたスーツに身を包んでいる姿。




名月先生を見た瞬間、時間が止まったかと思った。