名月先生に握られた手が、熱い。 せっかく名月先生が持ってきてくれた氷を溶かしてしまうんじゃないだろうか。 …もし溶けたら、名月先生はまた私の手を握ってくれるんだろうか。 「顔に怪我はしてないみたいだから、冷やして、とりあえず少し寝ようか?」 「…っあ、は、はい」 「今ベッド用意するから待っててくださいね」 名月先生はまたにっこりと笑って、私から離れてベッドの方に向かっていった。