『もう廊下でぼんやりしていたらだめですよ』 名月先生が私に言った言葉が、声が、頭から離れない。 もう、完璧に恋する乙女モードじゃないか。 …好きになったって、どうしようもない人なのに。 相手は先生で、私は生徒なのに。 「美咲危ないっ!」 「え?」 ぼんやりとしていた思考に、突如飛び込んできた声と、直後にボン、と顔に感じる衝撃。 …あ、忘れてた。 今は体育の授業中で、バレーの試合中だったんだ。