「あ ! そういえば南の席
とっておいてよかったでしょ?」 

 


教室の席は自由で、
早いものがちだ。
 

だからたまたま
早く学校に着いた私は
窓際の前から4番目で
後ろから2番目という
いい席をとった。
 
 
本当は1番後ろがよかったんだけど
既に誰かがとっていたので
しょうがないと思い、諦めた。
 
 
南の席は私が
あらかじめとっておいたので
私の右隣りだ。
 
 

「あ、そうだね!
菫に席とっておいてもらって
ほんとよかったよー !
私が来た時なんて
1番前しか残ってなかったもん !
まじありがとうっ」
 
 

「自由席でよかったよー。
南と席近くなれて
嬉しいんだあ ! 」
 
 
「ほんと感謝 !

‥って、あーっ !
菫 ! 話そらしたでしょ ! 」 

 
 
「あはは、ばれた?」
 
 


そんな会話をしながら
笑い合っていると
担任と思われる先生が入ってきた。