"彼"が出てきた瞬間
さっきまで文句を言っていた人は
誰もいなくて、 
 

「きゃーーーーー ! 」


という黄色い声援から始まり、
周りがざわつき始めた。


「静かにして下さい!」
先生たちが必死に
その場を静めようとしているけど
静かになるどころかヒートアップ‥。



さっきまで寝ていた人たちは
びっくりしたのかぱっと目を覚まし、
なんだなんだ?と
いわんばかりの表情をしている。 



"かっこよくない!?"

"えー!!私のもろタイプー"

"どこのクラスなんだろう?"

という女子のひそひそ声が
あちらこちらから聞こえた。 


 

 
 
「ねー菫 ! みた?
すごくかっこよくない!?」



「うん。すごくかっこいい。 」
 
 
 

長身で足が長く、
目や眉はキリっとしていて
鼻は高く、唇は薄く
とても顔の整っている、
クールな感じの人だった。
 

あんなに顔の整った人を見るのは
生まれて初めてで。

 
まるでこの世の人とは
思えないくらいの美男子だった。