「はあ。
今日向こうから
話しかけてくれたんでしょ?
しかも最後に笑ったんでしょ?
嫌われてはいないんだから
話してくれるでしょ。
ブスならどうか分からないけどね。
菫ならまずないでしょう!」


全く意味が分からない。


「‥ブスですけどなにか?」


「はああああ?あんた可愛いんだから
自信もちなさいよ!馬鹿ねー全く。」


怖いよう。迫力満点だよう。


「でも‥「でもじゃない!」

南ちゃん怖いよー。


続けて南は言った。
意味分からないことを。

「それに菫は絶対
一ノ瀬のこと好きだよ。」


「はい?」


「今は好きじゃないかもしれないけど
絶対好きになるなー。
あー楽しみ。美男美女カップル。うふ」


うふってなに?


「あ、でも多分彼女いるよ!」

そう私がいうと

「え!なんで?」

いや、なんでかは知らないけどさ。


「校門に女の子が立ってて
一ノ瀬くんと一緒に帰ってた。」



だから多分私が読み終わるのを
待ってたんじゃなくて
彼女がくるのを待ってたんだと思う。



「彼女いるくせに
普通屋上に連れてく?
しかも2人きり。
一ノ瀬は寝てたんでしょ?
隙ありすぎでしょ?
そんなんでいいの?

はあーなんか残念。」


ちょっと分かるかもしれない。
もし私が彼女だったら嫌だなあ。
しかも積極的な女の子だったら
キスされちゃうかもしれないし‥

って想像でも恐れ多いわ!
勝手に彼氏にしてごめんなさい。




「えと、まあ
ただ困っている人を
助けただけのことだよ。
優しい人なんだね、うん。」




私の中での一ノ瀬くんは
好印象だけど‥。





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あの時心の奥が
締めつけられたような
気がしたのは キ ノ セ イ ?