私はあれからすぐ帰宅した。

「ただいまー」

挨拶をしてリビングに行こうとすると


「「おかえりー」」

ん?お客さん?
あれ?でも聞きなれた声がする。


恐る恐るリビングに行くと、

「‥やっぱり!なんでいるの?」

そこにいたのは
先に帰った南だった。


「菫が好きすぎて来ちゃったー」
てへぺろって笑いながら言う。

うん、かわいい。
じゃなくて。


「どうしたの?」


「買い物終わって家に帰ったら
やることなくて暇でさー。
菫の家に遊びにきたの!
でさ~菫ママの作る料理が
美味しくてさ~‥」



私の家と南の家とは近所で、
私の家の3つ隣が南の家だし
お母さん同士も仲良しで
よくこうやって行き来している。


「‥って菫きいてる?」

「きいてるよー。」
ほんとは聞いてないけどね。


「もう!いいもん!
菫ママとお話するから!」


南がすねましたね。
頬ふくらませちゃってー。
あらかわいい。

って私何キャラ?

「はいはい。
私着替えてくるねー。」



「菫ママー、菫が冷たいよー」


「やーねー。ほんとだわー!
菫ちゃん冷たーい」



‥無視無視。
お母さんって無駄に
ノリがいいんだよねー。
はあ、楽しんでるし。



あっそうだ。
思い出して振り返っていう。


「ふーん。
そういうこというんだー。
ふーん。
今日のこと教えてあげなーい。」

そういうと、

「ぎゃあああ。
ごめんなさーい。
嘘ですー。」


顔色を変えて追いかけてくる南に
ぷいっと後ろを向き
2階にある自分の部屋に向かって
再び歩き出す。