「う、っわあ !」
  
誰かが私の後ろに立っていた。
 
誰かなーと気になってみてみると‥


なんとそこには

今ではこの学校の有名人である彼、
"一之瀬 空"が立っていた。
 

(‥びっくりしたー)
 

 
「えと、」
 
(なんで私こんなに見られてるの?)
 


「ごめんなさい?」
 
(なんで私謝ってるんだろう)


 
そう思いながら来た道を戻ろうとした。

すると
 
 

「‥屋上行きたいんじゃないの?」

 

初めて聞く低い彼の声にドキッとしたけど、
 


「鍵、開いてなくて‥」

 

そう答えた。
 


 
 
「鍵なら‥もってるけど?」
 
そう言って私に鍵を見せてくれた。
 
 
 
「本、読みたいんじゃないの?」
 



(図書館には私しかいなかったはずなのに。)

 
「え、なんで知ってるんですか?」
 

 

そういう私の問いかけには答えず、
鍵を開けて先に行ってしまった。
 



(‥私はどうすればいいんだろう)
 
そう思っていると、
 
 

「‥くれば?」
 


そう言われたので行くことにした。