「で?菫ちゃんは
一通り学校みてから
迷っちゃったの?」
「ううん、違うの。
なんだかさっきから
同じところを
まわってるみたいで。」
「そっかー。
じゃあ俺が案内してあげよっか?」
「ううん、大丈夫。
もう少し1人で頑張ってみる。
気遣いありがとう。」
そう言って笑うと、
宇野くんが頬をピンクに染めた。
「‥え、遠慮しなくていいのに~。
じゃあ俺帰るけど、菫ちゃんも
気をつけて帰ってね♪」
「ありがとう !
宇野くんまたね !」
そういうと宇野くんは
手をひらひらと振りながら
行ってしまった。
(あ゛ー くそ、
久々に女の子にやられた。
どもっちまったよ。
菫ちゃんくそかわいいじゃん。
俺狙っちゃおうかな。)
そう呟いたことは菫は知らない。