工藤くんが自己紹介を
ちょうど終えたそのとき、
ガラガラガラ、
と誰かが音を立てて入ってきた。
その瞬間。
「きゃーーーーー ! 」
"やっぱりここのクラスだったんだ ! "
"近くで見る方が何倍もかっこいい~"
そんな言葉たちが飛び交っている。
入ってきたのは
先程挨拶をしていた"彼"だった。
「おい、静かにしろー。
一ノ瀬、挨拶お疲れ様。
自己紹介し始めたころだから
一之瀬もしてくれ。」
「一之瀬 空。」
そういうと私の後ろの席に座り、
机に伏せてしまった。
(後ろの席だったんだ。)
「‥それだけか?
随分シンプルだなあ。
まあいい。次の人よろしく。」
”えー !
もっとしゃべってほしかったあ"
なーんて口々に女子が言ってる。