「ねぇ……どこいくの??」
どきっ!!み、見つかった……
冷や汗が額ににじみ出る。
「…ん??もしかして、受験の時の消しゴム落とした人??」
「あっ…そうです!!あの時は、助かりました」
「ん……。何??」
何??ってなんだろー!?
私何かしたのかな??
よくあるよね、ほら知らず知らずの間にってやつ……
「あのさ…名前呼んだでしょ??あんたのそのバカデカい声で起きたんだけど…」
え??私??
……名前呼んだかしら??
身に覚えがない……
「海って呼んだだろ??」
あーはいはい。
呼びました、呼ばました。
愛犬の名前をね??
「まさかなんだけど……あなたの名前って、海??」
「そうだけど??なにか??」
だいせいかーい!!やったねっ☆
じゃなくて……
「海ぃぃぃぃい!?!?!?」
「うっせー。さっきからなんだよ俺の名前ばっか呼びやがって……」
海さん??海くん??が鬱陶しそうに私を見た。
「なんで俺の名前知ってんだよ」
「非常に言いにくいのですが…愛犬と一緒の名前なので……」
さすがに嫌だよねー。
犬と一緒の名前なんて。
「…っ。だよなー。お前が俺の名前知ってるはずないよなー」
海さん??海くん??が肩を震わせながら言った。
「改めて俺は、野々宮海。今年の春から、北高1年になる。よろしくな☆」
ニコッと人懐っこい笑顔に、少し心が締められた。
「わ、私は、原田花です。今年の春から、北高1年になれるか分からないですが、なるつもりです。よ、よろしくお願いします」
「…っ。なれるか分からないってなってくれなきゃ困る。それより、よろしくなっ花っ☆」
わ、笑われた!!
ちょっと失礼じゃないのー!?
それより…呼び捨てー!?
「クゥーン」
スリスリと愛犬、海が帰りたい様子なのか、寄ってきた。
「えっと……海が帰りたいみたいなので…そろそろ帰ります」
「そ??じゃあ、受かってるといいね☆」
「それでは、失礼します」


「行くよ、海♪」
家に向かって、海と歩いた。
私、男性恐怖症なのに……
海さんとならなぜか自然と話せた……
人見知りもなかったし。
なんか、不思議だなー。
とにかく!!高校受かっててね☆