「カリカリカリカリ……」
鉛筆で書く音がひたすらに続いている中、私!!原田花は一世一代の大ピンチです!!

今は受験中。高校受験。人生が決まる時……


そんな中私は、消しゴムを落としてしまい、手をあげれば済むのだが…私は、極度の人見知りand男性恐怖症なのだ……
見回りの先生は…男。
恨むよ……自分の体質を……


私が余計な事を考えていると
「トン」
なんだろ……??
消しゴム??
隣の受験生がわざわざ私の為に、自分の消しゴムを千切って私の机に置いた。
使ってもいいのかな??
わざわざここに置いたんだから、使っても文句ないよね??
何か言われたら謝ろう。


しかし世の中には、いい人もいるもんだ…
人間みんなこんな人なら平和なのにな……
なんて感心しながら隣を見ると……


お、お、男ぢゃないかー!!!!!!


今まで受験や消しゴムの事で頭がいっぱいで周りを見てなかったが、隣に男が座ってる。
それだけで、逃げ出したくなった…
でも、後10分…10分我慢すればいい!!と自分で自分を励まして、10分間乗り切った。


とにかく、消しゴムのお礼を言いたくて、逃げ出したくていっぱいいっぱいだった。
「あ、あの…消しゴムあ、ありがとうございました!!」
深々と頭を下げて、頭を上げると共に
「では!!さようなら!!」
それだけ言い、早々と教室を出た。