「その子が、放課後、掃除を手伝ってくれるなら、勉強見てくれるらしいから」
「え、何それ私の二重負担じゃないですか!?」

岡田ちゃんは得意気にいうが、それは私にとって有り難迷惑な提案でしかない。思わず私は聞き返す。

「私はあなたがいつか留年するかもと不安で不安で!!」

頭を押さえながら、岡田ちゃんはため息をこぼした。
心痛お察しします。

「とにかく、今日からですから、よろしくお願いしますね!!」

岡田ちゃんの半ば強引な説得に迫力負けした私は、放課後あんなことを起こると知らずに図書館に向かった。

図書館は外観からとても大きいことがわかる。
「ぅわー…でか」

入学してから七ヶ月、初めての図書館に着いた私は感嘆の声をもらした。
私の通う高校、私立舘宮学園は校舎が綺麗ということ以外、目立った特徴は無いが、学校内にある図書館は、多分他のどの私立の学校よりも広い。
資料を借りるために他大学の教授が時々訪問したりするらしい。

二階建ての趣深い洋館のような建物からなる図書館は学園の奥にひっそりとある。

こんなとこを私は、掃除すんの…。
内心げんなりしながら、扉の方に行くと、札がかかっている。

【清掃中につき図書委員以外立ち入り禁止】

「清掃中…?もう始まちゃってるの?」
清掃中で入るなって私はどうすればいいの!
と思ったが、頼まれたのだから仕方ないと思って扉を開けて入る。