放課後の学校にはいろんな人がいる。
勉強に勤しむ生徒、部活に全力投球する生徒、周りが見ると腹立つくらいベタベタしているリア充な生徒、ちなみに私はそのどこにも当てはまらない。

「待ちなさい！和泉さんっ」

なぜなら、私、和泉咲音は担任の岡田ちゃんに追い回されているからです。岡田は高いヒールを踏み鳴らし鬼のような形相で私を追い詰めようとする。
何故私が追いかけ回されてるのが誰か詳細を教えて欲しい。

まわりの生徒達はこちらを見て、変な目をする。
うわー、視線が突き刺さる…
私変な子じゃありませんから、
と心の中で訂正をいれた。

「そんな鬼みたいな顔で追われたら逃げますって！」

先生が理由も言わず私を追いかけてくるから校舎内を何往復もすることになる。
そんな風に走っていると、壁にあたり、行き止まりになる。
私の頭の中には蛍の光がスーパーの閉店を知らせるかのように流れる。

壁を見ながら途方にくれていると、後ろで岡田が仁王立ちしてもう逃げられないと伝えてくる。

「ふふふ…やっと捕まえたわよ」

あんたは、RPGのラスボスかなんかか！