「あいつら、仲良いな」
「ハル、居たならすぐ出て来ればいいのに」


後ろから出てきたハルにもう、と怒る。ハルは手を上げて、いや、いや、俺パス、と笑う。

「ま、ちゃんと、俺には君がいますし、」

そう言って、私にもたれ掛かる。
重いんですけど。


「アイリスとか、多季とか…羽津は、あのあとどうなったのかな?」

知らね、と興味無さげにハルは言った。
「アイリスと多季はどうなったのかわかんねぇけど、羽津は、どっかにいるんじゃねぇ?」


確かに、
「いるかもね」
会えないだけで。


物語は愛で満ちている、

確かにそうかもしれない。愛がなければ、憎しみあうことも、好きあうことも、出来ない。

そんなことがなければ、
物語は起きない。
ひいては、人生は廻らない。
そういうことなのかもしれない。