「ふはははっ」

私が項垂れているとサリサは急に笑い出す。終いには涙を拭い始める。

「あたしは愛に敗れた、というわけね?…ふ、ははっ、大概無茶するなぁ、あの子らは。」

私のギョッとした目に気づいたのか、サリサは微笑んで、言った。
「良かったわね。…全て解決するみたい」
「え、どういう…!!」


「全ての物語は愛で成り立っている、そして、ほんの少しの犠牲。…そういう事よ」
すう、とサリサの色が透けるように薄くなる。もう消えるわ、と笑った。
え、ちょ、私を元の世界に返してくれないの?

私の心の声に気づいたのか、軽く笑う。
「後任のコが来るから大丈夫よぉ。…じゃあね」

ひらりとサリサが手を上げた。

「あたしのたった一人の共鳴者、あなたが幸せであることを祈るわ」