「ようこそ、咲、あたしの精神世界へ」

真っ白で何もない所は前に来た私の精神世界に似ている。ただ、不安でぐらぐら揺れているような、そんな脆さを感じる。

「居心地悪いでしょう?」

あたしは継ぎ接ぎだらけだから、と自嘲気味に笑うサリサ。次の瞬間私に近づく、前より彼女が近くに感じる、きっとタイミングというのが一番あっているんだろう。

「もおすぐ、私の願いが叶うの。うれしいわ。…本当に…ぜんぶぜんぶ元に戻るのよ」

小鳥が歌うようなきらきらとした声が星のようだと思った。
どんな物よりも美しく輝く金糸のような髪、空を吸い込んだような青い青い瞳、そんな幸福を纏ったような彼女が欲しくても手に入れられなかったものがある。
たった一つの些細な願い、それが絡まって、こんなところまで来てしまった。

かわいそうだと思うのはお門違いだろうか?


「私は、私の意思を伝えにきたの」

「何?」

「私の体も、命もあなたにあげるつもりはないの!!」