眠い、眠いよ。体が重い。
どうして、私はこんな真っ暗にいるんだろう?

誰が、私を呼んでるんだろう?

ゆっくり私が目を開けると、視界に和泉がうつり込む。
どうやら、司書室にいるようで、私はそこのソファーにねころがされていた。

「んー…いず、み?…っわ」


次の瞬間、力強く強引に抱きしめられる。
「ちょ…なんで…、和泉」

「黙って、抱きしめられてろよ…」


低い、怒っているみたいな声にびくつきながら、なんなのよ、と、小さく呟いた。顔にあたる髪をこそばゆく思いながら、背中をさすっておく。
どうだったのか気になるが、和泉が無事だったことに安心する。

「あー、つるぺたで安心するわ…」

その呟きにぺちっと叩いておく。

「なんだよ、何かとはいってねぇだろ?…てか、安心するって言ってんだからほめ言葉じゃね?」

「全然ほめ言葉ありません、…もー、離れなさいよ」

「わかったよ…」


きょろり、と見回すと、目の前のもう一つのソファーで千亜はねむっていた。
私はそっちに走り寄った。ひび割れていた肌も綺麗にもとに戻っていた。
のぞきこむと、丁度目を開けた。

「あ、起きた?」

私の言葉に返事もしないで、がばりと勢い良く起き上がる。

「どうして、わたし生きてるの?」


「助けてくれたらしい」

「健くんは?」

「あっちで寝てるけど、場所がなくて…」


立ち上がり、千亜は怪我だってしてるだろうにその場所に走っていく。