朋恵と炯斗は驚いて高橋を見つめた。
「ほ、本当に!?」
「高橋、アンタね!?」
高橋は刺さる程に鋭く睨む朋恵をまっすぐ見つめた。
「いいじゃないですか。彼らは二回も捜査に重要な証拠を挙げてくれたんですよ? 警察とは違う、独自の方法で」
「偶然かもしれないじゃない」
「そんなラッキーな偶然、普通続きます?」
警察ではない炯斗からしたら克己さんのはアンラッキーと言いたいが。
炯斗は気まずく汗を垂らして成り行きを見守っている。
「だとして、民間人じゃない!」
朋恵は声を荒げた。
そう言われ、高橋はため息をつく。
「先輩、少し信用してみませんか? 彼らの調査を」
恐らく、昨日口走った炯眼のことを言っているのだろう。
炯斗は腹の底がむず痒くなって身を捩った。
朋恵はまだ食い下がる。
「でも――」
「先輩」
高橋が急に真剣な顔で朋恵を遮った。
「先輩は、確かに階級もキャリアも僕より上かもしれません。でも、今の責任者は僕です」
「? それくらいわかっているわよ」
「いいえ、違います。
そういうことではありません」
じゃあなんだ、と大声をあげたい気持ちをやっとで抑えて、靴を鳴らした。