もうすぐ桜が咲く三月だか、夜はまだコートがないと肌寒い。

このところずっと帰りは弟と一緒だ。
すごい仲が良いとかではない、これには理由があった。


「まだ無言電話ある訳?」

「…うん」


「一旦実家から大学通えよ、母さんだって心配してるしさ」

母さんだけじゃなく俺だって、
と顔に書いてある弟が愛美は可愛く思った。


「ん〜、実家から大学までだと今より30分は遅くなるじゃない?それはちょっとね…」

「おいおい!もう少し危機感持てよ、これストーカーだぞ?」